間章/在

とある川の底、「それ」は在った。
何時の頃からか、ただただ「それ」は在った。

「それ」は動かない。
「それ」は感じない。
「それ」は思考しない。

時折、何かが「それ」にぶつかってきて、「それ」を少しだけ、削り取って行く。

それでも、「それ」は動かない。
「それ」は感じない。
「それ」は思考しない。
ただただ、そこに存在するのみ。

雨が降ろうが、風が吹こうが、時には川の水が干上がろうとも、ただただ、そこに在った。

春から夏になり、夏が去り秋が来て、秋が暮れて冬になり、冬が明けて春になろうとも、ただただ、そこに在った。

「それ」は動かない。
「それ」は感じない。
「それ」は思考しない。
ただただ、そこに存在するのみ。

存在する事、それだけが真実であるかの様に。
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by gushax2 | 2016-05-19 06:05 | 間章/在 | Comments(0)
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